余弦定理で得点できる!公式の仕組みと正弦定理の使い分け

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余弦定理の公式を覚えたはずなのに、いざ問題を解こうとすると 「正弦定理とどっちを使えばいいんだろう」と手が止まってしまう、そんな経験はありませんか。 公式を丸暗記するだけでは、本番でなかなか使いこなせないものです。 この記事では、余弦定理を証明から丁寧に紐解き、公式の意味・正弦定理との使い分け・典型問題の解き方まで段階的に解説します。読み終えるころには、定期テストでも受験でも自信を持って問題に向き合えるようになります。

余弦定理とは?基本的な意味を理解しよう

余弦定理は、三角形の辺と角の関係を表す公式です。この章では、余弦定理がどのような場面で使われるのか、またよく混同される三平方の定理とどう違うのかを整理します。

 

  • 三角形と余弦定理の関係
  • 三平方の定理との違いと発展的な見方

 

まずは、余弦定理が三角形のどの要素に着目した公式なのかを確認し、その後に三平方の定理との違いを見ていきましょう。

三角形と余弦定理の関係

余弦定理とは、三角形の3辺の長さと1つの角の余弦(cos)の関係を表した定理です。三角形 ABC において、各辺を a・b・c、各角を A・B・C とすると、次のような関係が成り立ちます。

  • a² = b² + c² − 2bc cosA
  • b² = a² + c² − 2ac cosB
  • c² = a² + b² − 2ab cosC

 

この公式が示しているのは、「2辺とその間の角がわかれば残りの辺が求められる」「3辺がわかれば角度が求められる」という2つのことです。

 

つまり、余弦定理は「辺と角の橋渡し役」を担っています。

 

三角比の学習では、sin・cos・tan を直角三角形で学びますが、余弦定理は直角三角形でない一般の三角形にも対応できる点が大きな特徴です。図形と計量の単元で欠かせない公式のひとつといえるでしょう。

三平方の定理との違いと発展的な見方

「余弦定理と三平方の定理は似ている」と感じたことはないでしょうか。実はこの直感は正しく、余弦定理は三平方の定理を一般化したものです。

 

三平方の定理は、直角三角形(角 B = 90°)においてb² = a² + c²が成り立つことを示します。ここで余弦定理の公式を見てみると、b² = a² + c² − 2ac cosBとなっています。角Bが 90°のときcos90° = 0 になるため、−2ac cosBの項がゼロになり、そのまま三平方の定理と一致します。

 

つまり三平方の定理は、余弦定理の「特殊なケース」だと理解できます。この関係を頭に入れておくと、公式を丸暗記しなくても「三平方の定理に cosの補正項がついたもの」として自然に思い出せるようになります。

 

角度が鈍角(90°より大きい)のときは cos の値がマイナスになるため、b²の値がa² + c²より大きくなる点も合わせて確認しておきましょう。

余弦定理の公式と証明をわかりやすく解説

公式の形を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を理解することが長期的な得点力につながります。

 

この章では、3つの公式の整理と証明の流れを丁寧に確認します。

 

  • 3つの公式の形と覚え方
  • 証明の流れをステップで確認しよう

 

まずは3つの公式の形を整理して覚え方のコツを押さえ、そのうえで証明を手順に沿って追っていきましょう。

3つの公式の形と覚え方

余弦定理には3パターンの公式がありますが、構造はすべて同じです。「求めたい辺の対角の cos を使う」というルールを押さえておけば、3つを別々に暗記する必要はありません。

 

求めるもの 公式 
辺 a a² = b² + c² − 2bc cosA
辺 b b² = a² + c² − 2ac cosB
辺 c c² = a² + b² − 2ab cosC

 

上の表を見ると、左辺の辺と右辺のcosの角が常に対応していることがわかります。「a²にはcosA」「b²にはcosB」というパターンが一定なので、ひとつの式を覚えれば残りは自然と導けます。

 

また、角度を求めたいときは上の式を変形して使います。たとえばcosAを求める場合は次のようになります。

 

cosA = (b² + c² − a²) / 2bc

 

同様に cosB・cosC も、それぞれ対応する辺に置き換えるだけで求められます。

 

公式の構造を理解したうえで使うことで、ど忘れしたときにも自力で式を復元できるようになります。

証明の流れをステップで確認しよう

余弦定理の証明は、座標を使う方法が最もシンプルでわかりやすいです。難しく見えるかもしれませんが、順を追って確認すると無理なく理解できます。

ステップ 1:三角形を座標に配置する

三角形 ABC を座標平面上に置き、頂点Aを原点に、辺c(AB)をx軸上に配置します。このときBの座標は(c, 0)、Aの角をAとするとCの座標は (b cosA, b sinA)と表せます。

ステップ 2:辺 a の長さを座標で表す

辺aはBとCを結ぶ線分なので、2点間の距離の公式を使います。

 

a² = (b cosA − c)² + (b sinA

ステップ 3:展開して整理する

右辺を展開すると次のようになります。

a² = b² cos²A − 2bc cosA + c² + b² sin²A

 

ここでcos²A+sin²A= 1(三角関数の基本公式)を使うと、

 

a² = b² − 2bc cosA + c²

 

となり、余弦定理a² = b² + c² − 2bc cosAが導かれます。

証明のポイント

証明のポイントは、「座標を使って距離を表す→展開して整理する」というシンプルな流れです。三角関数の基本公式sin²θ + cos²θ = 1が要所で活躍するため、この関係式もあわせて確認しておくと理解がスムーズになります。

余弦定理の使い方|典型問題で解き方をマスター

公式の理解が深まったら、実際の問題で使い方を確認しましょう。余弦定理が活躍するのは主に 2 つの場面です。それぞれの解き方の流れを押さえておきましょう。

 

  • 2辺とその間の角がわかるとき(辺を求める問題)
  • 3辺がわかるとき(角度を求める問題)

 

ここでは、状況ごとにどの公式を選び、どの順序で計算すればよいのかを具体的に見ていきます。

2辺とその間の角がわかるとき(辺を求める問題)

例題:三角形 ABC において、b = 5、c = 7、A = 60° のとき、辺aを求めなさい。

求めたい辺が a なので、a² = b² + c² − 2bc cosAの公式をそのまま使います。

 

a² = 5² + 7² − 2 × 5 × 7 × cos60°

a² = 25 + 49 − 70 × (1/2)

a² = 74 − 35

a² = 39

a = √39

 

この問題のように「2辺(b・c)とその間の角(A)がわかっているとき」は、余弦定理を使う場面のひとつです。公式に数値を代入するだけで解けるため、まず cos の値を正確に確認することが大切です。

 

cos60° = 1/2、cos90° = 0、cos120° = −1/2 は頻出なので確実に覚えておきましょう。

3辺がわかるとき(角度を求める問題)

例題:三角形 ABC において、a = 4、b = 5、c = 6 のとき、角Aを求めなさい。

今度は角度を求めるので、cosA を求める変形公式を使います。

 

cosA = (b² + c² − a²) / 2bc

cosA = (25 + 36 − 16) / (2 × 5 × 6)

cosA = 45 / 60

cosA = 3/4

 

この cos の値から角 A を求めるには、三角比の表や有名角から導きます。定期テストでは cos の値を求めるところまでが問われるケースも多いため、「cosA = 3/4 を求める」という流れ自体をしっかり確認しておきましょう。

 

なお、求めた cosA の値がマイナスのときは A が鈍角になります。その点も問題を解くうえで大切な判断材料になります。

正弦定理との使い分けをフローチャートで整理

余弦定理と並んで頻出なのが正弦定理です。どちらを使えばいいか迷いやすい場面も多いため、この章で判断基準を整理しておきましょう。

 

  • 正弦定理を使う場面・余弦定理を使う場面
  • 迷ったときの判断フロー

 

まずはそれぞれの定理が適している条件を整理し、その後に迷わず選択するための判断手順を確認します。

正弦定理を使う場面・余弦定理を使う場面

正弦定理と余弦定理は、それぞれ得意とする問題の条件が異なります。

 

下の表で特徴を確認しましょう。

 

定理 使う場面(与えられている条件)
正弦定理 1辺と向かい合う角がわかっているとき
余弦定理 2辺とその間の角がわかっているとき/3辺がすべてわかっているとき

 

正弦定理は a / sinA = b / sinB = c / sinC = 2R(Rは外接円の半径)という公式で、辺とその対角のペアが手がかりになります。

 

一方、余弦定理は「対角のペアがそろっていない」場合に有効です。

 

どちらの定理を選ぶかは、問題文で与えられている条件を整理すると判断しやすくなります。

迷ったときの判断フロー

「正弦定理か余弦定理か」を素早く判断するためのフローを確認しましょう。

 

▼ 問題文の条件を確認する

 

1辺とその対角のペアが揃っているか?

 ├── YES → 正弦定理を使う

 └── NO  ↓

 

2辺とその間の角がわかっているか?または3辺すべてわかっているか?

 ├── YES → 余弦定理を使う

 └── NO  → 条件の読み直しが必要

 

このフローを意識するだけで、問題文を見た瞬間に使う定理を判断できるようになります。試験本番でも迷わず手を動かせるよう、問題を解くたびにこのフローを意識する習慣をつけておくとよいでしょう。

 

なお、問題によっては正弦定理と余弦定理を両方組み合わせて解くケースもあります。余弦定理で辺を求めてから正弦定理で角を求める、という流れは入試でも頻出のパターンです。

余弦定理に関するよくある質問Q&A

余弦定理を学ぶなかで生じやすい疑問をまとめました。理解の確認にお役立てください。

Q. cos の値がマイナスになったときはどう考えればいいですか?

cos の値がマイナスのとき、その角は鈍角(90°より大きい角)です。

 

たとえば cosA = −1/2 のとき、A = 120° となります。三角形の内角は 180° 未満なので、鈍角になり得るのは 3 つの角のうち 1 つだけです。

 

cosA がマイナスになっても慌てずに、「鈍角の三角形なんだ」と落ち着いて処理しましょう。

Q. 余弦定理は直角三角形でも使えますか?

使えます。

 

ただし、直角三角形(90°の角がある場合)は cos90° = 0 になるため、余弦定理を使わなくても三平方の定理で解けます。問題の条件を確認したうえで、より簡単に解ける方法を選ぶとよいでしょう。

Q. 3辺がわかっているのに角が求められないことはありますか?

cosA の値を計算したとき、値が −1 より小さくなる、または 1 より大きくなる場合は、その 3 辺では三角形が作れないことを意味します。現実的には問題文の数値がそうなることはほとんどありませんが、理論として覚えておくと理解が深まります。

余弦定理を使いこなして得点力を上げよう

この記事では、余弦定理について次のポイントを解説しました。

 

  • 余弦定理は三平方の定理を一般化した公式であり、「2辺とその間の角」または「3辺」がわかるときに使う
  • 公式の構造は「求めたい辺の対角の cos を使う」という一定のパターンがある
  • 証明は座標を使ったシンプルな流れで理解できる
  • 正弦定理との使い分けは、「対角のペアが揃っているかどうか」を条件として判断する

 

余弦定理は、公式の仕組みを理解して初めて使いこなせるようになります。「なんとなくわかった気がするけれど、問題になると解けない」という状態から抜け出すには、理解の土台をしっかり固めることが大切です。

 

創英ゼミナールでは、こうした「わかったつもり」を防ぐために、一人ひとりの理解度に合わせた指導を大切にしています。数学が苦手なお子さんはもちろん、受験に向けてさらに得点力を高めたい方まで、幅広くサポートしています。

 

指導の内容や教室の雰囲気など、気になることがあればぜひ一度ご覧ください。

 

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